育成就労の日本語教育の費用負担―企業が払う範囲と根拠

最終更新日: 2026年10月23日

結論

  • 2027年4月1日に始まる育成就労では、日本語教育の費用負担を含めた措置を、受け入れ企業(育成就労実施者)または監理支援機関が行うことが制度の前提です。
  • 受け入れ企業側が負担するのは、就労開始前の100時間の講習、就労中3年間の100時間以上の講習の機会、送出機関の手数料のうち本人負担の上限(月給2か月分)を超える分の3つです。
  • 技能実習生・特定技能の外国人にも努力義務と義務的支援があり、日本語教育の費用は受け入れ企業の負担を前提に予算を組むのが現実的です。

育成就労の日本語教育の費用負担とは、2027年4月1日に始まる育成就労制度で、外国人の日本語能力を高めるための講習や試験にかかる費用を誰が払うかという取り決めです。
この記事では、受け入れ企業が負担する範囲と制度上の根拠、技能実習生・特定技能の外国人との違い、予算の立て方を解説します。

育成就労で受け入れ企業が負担する日本語教育の費用

育成就労の日本語教育を時期ごとに並べた一覧表。就労開始前はN5またはJFT-Basic145点以上の合格か100時間以上の講習で費用は実施者または監理支援機関、就労中3年間は100時間以上の講習の機会を実施者が提供、送出機関の手数料は月給2か月分を超える分を企業側が負担、特定技能1号移行後は日本語学習の機会の提供が義務的支援

就労開始前は、N5またはJFT-Basic145点以上の合格、または100時間以上の講習(N5相当)のどちらかで、費用を含めた措置は育成就労実施者または監理支援機関が行います。
就労中の3年間は、100時間以上の講習(N4相当)を受けられるようにすることが育成就労実施者の義務で、送出機関の手数料は本人負担が月給2か月分までです。
特定技能1号に移った後も、日本語学習の機会の提供が義務的支援で、費用は本人に負担させられません。

① 就労開始前の100時間の講習は、費用を含めて受け入れ企業側が用意します

育成就労を始めるまでに、外国人はN5またはJFT-Basic(国際交流基金日本語基礎テスト)145点以上に合格しているか、認定日本語教育機関等で100時間以上の講習を受けている必要があります。
介護分野だけは開始時からN4またはJFT-Basic200点以上です。 入管庁のQ&Aでは、日本語能力向上のために必要な措置を「費用の負担を含め」育成就労実施者または監理支援機関が取る、という記述です。
試験に合格していない人を受け入れる場合、100時間の講習の費用は受け入れ企業か監理支援機関のどちらかが払います。 時間数を満たすことに加えて、現場の言葉で練習できる講習かどうかを契約前に確認してください。

(出典: 出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」Q55・Q65)

② 就労中の3年間は、100時間以上の講習を受けられるようにする義務があります

育成就労実施者は、3年間の間に、認定日本語教育機関の「就労」課程で100時間以上の講習(N4相当)を受ける機会を提供する必要があります。 施行後当分の間は、登録日本語教員による一定の要件を満たした授業も、この講習を受けたものとみなされる扱いです。 受講はオンラインでもよく、双方向で同時にやり取りできる形式であることなどの要件があります。
育成就労実施者には、外国人が講習を履修できるように必要な措置を講じる義務があります。 一方で、受講時間を労働時間として扱うことまでは義務付けられていません。

(出典: 出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」Q63・Q64・Q68)

③ 送出機関の手数料は、本人負担の上限を超える分を受け入れ企業側が払います

育成就労では、送出機関が外国人本人から徴収できる費用の上限が月給の2か月分までと決められました。
上限を超える費用は、育成就労実施者または監理支援機関が負担します。 来日前の講習を送出機関に任せる場合も、来日後の100時間以上の講習は受け入れ企業側の負担です。

(出典: 出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」Q73)

技能実習生・特定技能の外国人の日本語教育は誰が払うか

育成就労の施行後も、技能実習生は2030年前後まで現場にいる計算です。 技能実習生・特定技能の外国人の日本語教育は、育成就労と義務の強さが異なります。

  • すべての外国人を雇う事業主には、日本語教育推進法第6条で日本語学習の機会の提供に努める責務があります(努力義務)。
  • 特定技能1号では、「日本語学習の機会の提供」が義務的支援10項目のひとつです。義務的支援にかかる費用は、直接にも間接にも外国人本人に負担させることができません。
  • 育成就労では、費用の負担を含めた日本語能力向上の措置が、育成就労実施者または監理支援機関に求められます。

特定技能1号の「日本語学習の機会の提供」には、登録日本語教員等と契約して日本語講習を提供する方法が含まれ、その費用は受け入れ企業の負担です。 技能実習生・特定技能の外国人についても、受け入れ企業の負担を前提に予算を組んでおくと、2027年4月に育成就労へ切り替わっても予算の組み方を変えずに済みます。
3段階の義務の違いは外国人材の日本語教育―企業の課題と2027年からの変化で解説しています。

(出典: 文化庁「日本語教育の推進に関する法律の施行について(通知)」)
(出典: 出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援に関する運用要領(別冊)」)

日本語教育の費用を予算に組む3つの考え方

  • 人数×3年間の合計で見ます。日本語要件は開始時のN5またはJFT-Basic145点以上から、転籍時のJFT-Basic175点以上またはN4、特定技能1号移行時のN4またはJFT-Basic200点以上へ上がるため、1年分だけの見積もりでは2年目以降が漏れます。
    転籍の要件は育成就労の転籍要件―日本語力で定着する職場をつくるに、移行の要件は特定技能移行に必要な日本語レベル―どこでN5・N4・N3が必要かにまとめています。
  • 講習の時間を勤務表に組み込みます。夜勤明けや残業の後に受講が重なると講習は続かないため、勤務表を組む段階で受講日を固定し、現場の責任者と共有してください。
  • 「優良」の認定を見据えて受講記録と合格記録を残します。厚生労働省の資料では、「日本語教育支援に取り組んでいること」を優良な育成就労実施者の認定要件にするとしています。

(出典: 厚生労働省「育成就労制度の概要」)

費用負担を3年間続けられる日本語教育―むすびばの体制

N4合格に加えて、技能実習制度と同様に育成就労でも受け入れ企業が求めていることは、入ってきた外国人に現場で日本語が通じるかどうかです。 むすびばが目指すのは、点数だけではなく現場で仕事が回る状態です。

  • 指示を聞いて確認する力。「この部材を3階に運んでください」に対して「3階ですね。何本ですか」と聞き返せる力です。
  • 報告する力。「山田さんが朝ごはんを半分残しました」と、自分から職員に伝えられる力です。
  • 相談する力。「来週の金曜日、病院に行きたいので休んでもいいですか」と、困る前に言える力です。

そのうえで、制度の要件とも両立できる体制を整えています。

  • 登録日本語教員が在籍しています。
  • 就労開始前のA1相当・100時間の講習に対応できる体制があります。
  • 就労開始後も100時間の日本語教育を継続して行います。
  • 特定技能移行に向けたN4対策プログラムを実施し、N5相当からN4合格までの3年間を伴走します。

建設に特化した日本語コースを業界で初めて開設しました。 介護・製造の現場でも、職場で毎日使う表現からレッスンを組み立てます。 料金は1コマ60分・1,000円で、入会金・教材費は無料です。
人数と回数を調整できるため、人数×3年間の予算を立てやすい料金体系です。

よくある質問

Q1. 日本語講習の費用を外国人本人に負担させてもよいですか。
育成就労では、費用の負担を含めた日本語能力向上の措置を、育成就労実施者または監理支援機関が取ることになっています。 受け入れ企業の負担を前提に予算を組んでください。

Q2. 監理支援機関が費用を負担してくれるのですか。
負担する側は「育成就労実施者または監理支援機関」で、どちらが払うかは契約で決まります。 監理支援費に講習費が含まれているかどうかを契約前に確認してください。

Q3. 今いる技能実習生の日本語教育も会社が払うべきですか。
技能実習生については日本語教育推進法の努力義務が根拠で、育成就労のような費用負担の明記はありません。 ただし特定技能1号へ移るにはN4またはJFT-Basic200点以上の合格が必要で、受け入れ企業の負担で日本語教育を続けておくことが移行後の定着につながります。

この記事を書いた会社

むすびば株式会社は、技能実習生・特定技能などの外国人向けにオンライン日本語教室を運営し、人と人のいい関係性を築く日本語教育を理念としています。
建設・介護・製造業の現場で働く外国人に、少人数・会話中心のオンラインレッスンを1コマ60分・1,000円(入会金・教材費は無料)で提供しています。
登録日本語教員が在籍し、就労開始前のA1相当・100時間講習、就労開始後の100時間の日本語教育、特定技能移行に向けたN4対策まで、3年間を通して伴走できる体制を整えています。

育成就労の費用負担の検討に使える資料をダウンロードできます

このページの下にある「資料ダウンロード」から、むすびばの日本語教育の内容と料金をまとめたパンフレットをダウンロードできます。
建設業の受け入れ企業は「建設業向け」、介護施設は「介護士向け」、製造業など上記以外の受け入れ企業は「全職種向け」をお選びください。

2週間の無料体験を行っておりますので、お気軽にお問い合わせいただけますと幸いです。

  • 建設業向けオンライン日本語教育パンフレット_むすびば株式会社
  • 外国人介護士向けオンライン日本語教育パンフレット_むすび株式会社
  • 外国人労働者向けオンライン日本語教育パンフレット_むすびば株式会社
  • 技能実習生向け入国後講習パンフレット_むすびば株式会社

資料ダウンロード

プログラムの特長や、カリキュラムの内容が記載されたパンフレットを無料でダウンロードいただけます。