外国人材の日本語教育-企業の課題と2027年からの変化
最終更新日: 2026年9月1日
この記事の結論です。
- 外国人材への日本語教育は、いまは日本語教育推進法にもとづく努力義務ですが、特定技能1号では支援計画の義務的支援に入っています。
- 2027年4月に始まる育成就労制度では、就労開始前のA1相当・100時間講習と、費用負担を含めた措置が受け入れ企業に求められます。
- 社内で起きる課題は「教える人の時間がない」「教え方がわからない」「続かない」の3つに集約されます。役割分担で解決する方法を解説します。
外国人材の日本語教育とは、技能実習生・特定技能などの外国人材(2027年4月からは育成就労)が職場で働くために必要な日本語を身につけられるよう、受け入れ企業が学習の機会と支援を用意する取り組みのことです。
この記事では、企業にどこまでの責任があるのかを在留資格ごとに整理したうえで、現場でよく起きる課題と、2027年に向けていま見直すべきことを解説します。
外国人材への日本語教育は企業の義務なのか

在留資格によって、企業に課される責任の重さは違います。 すべての外国人材に共通するのは努力義務にとどまる一方、特定技能1号では支援計画の義務的支援として明記され、育成就労では費用負担まで踏み込みます。 2027年4月に向けて、企業の責任は段階的に重くなっていく流れです。
① すべての外国人材に共通するのは努力義務です
日本語教育の推進に関する法律の第6条は、事業主の責務として、雇用する外国人材とその家族に対し、日本語学習の機会の提供や学習支援を行うよう努めることを定めています。 努力義務なので、実施しなかったことに対する罰則はありません。 ただし国や自治体の日本語教育施策への協力は責務とされており、企業が無関係でいられる領域ではなくなっています。
(出典: 文化庁「日本語教育の推進に関する法律の施行について(通知)」)
② 特定技能1号では義務的支援に入っています
特定技能1号の外国人材を受け入れる企業には、支援計画の作成と実施が求められます。 その義務的支援10項目のひとつが「日本語学習の機会の提供」です。 内容としては日本語教室等の入学案内や、日本語学習教材の情報提供などが挙げられています。 つまり特定技能では、案内や情報提供のレベルまでは、すでに法的な義務になっています。
(出典: 出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援・登録支援機関について」)
③ 育成就労では費用負担を含めた措置が求められます
2027年4月1日に施行される育成就労制度では、責任の範囲がさらに広がります。 就労開始前に、A1相当以上の日本語試験に合格するか、認定日本語教育機関の「就労」課程でA1相当の講習を100時間以上受講することが必要です。 そして費用負担を含めた日本語能力向上のための措置が、育成就労実施者(受け入れ企業)や監理支援機関に求められます。 案内するだけでは足りず、実際に学ばせて、その費用を持つ立場になると考えてください。
(出典: 出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」)
制度の全体像と施行までのスケジュールは、こちらの記事で解説しています。
企業の日本語教育でよくある3つの課題
義務の話とは別に、実際に社内で日本語教育を進めようとすると、多くの企業が同じところでつまずきます。
課題1 教える人の時間が確保できない
社内で日本語を教える担当者は、たいてい本来業務と兼任です。 繁忙期に入ると教える時間から先に消えていき、気がつけば数ヶ月空いていた、という状態になりがちです。 毎日15分でも続くしくみをつくるほうが、まとまった時間を月に一度とるより効果が出ます。
課題2 教え方がわからない
相手のレベルに合わせて語彙を選ぶこと、文法のつまずきを説明することは、日本語教育の専門技術です。 日本語を話せることと、日本語を教えられることは別の能力だと考えてください。 社内でできる工夫については、技能実習生への日本語の教え方で3つの方法を紹介しています。
課題3 その場しのぎで積み上がらない
現場で必要な言葉をそのつど教えるやり方だと、覚えた言葉が単発で終わります。 N4やN3といった次の段階につながる体系的な力にならないため、3年目になっても試験に届きません。 特定技能1号への移行を見据えるなら、最初から到達点を決めた学習計画が必要です。
2027年からの変化に合わせて、いま見直すこと
いちばん大きな変化は、日本語能力が問われる場面が増えることです。 技能実習では就労開始前の日本語要件がなく、特定技能1号への移行も2号の良好な修了で試験が免除されていました。 育成就労になると、入国前にA1相当、特定技能1号への移行時にA2相当(日本語能力試験N4等)と、2回の関門ができます。 移行時には技能検定3級等または特定技能1号評価試験の合格も必要なので、日本語と技能の両方を3年間で仕上げる計画が求められます。
見直しの入口は、日本語教育の費用を会社の予算として確保することです。 1人あたりの講習費用・受験料・教材費を原単位として把握しておけば、採用計画と一緒に組み立てられます。 制度が変わる前後で何がどう変わるのかは、次の2本にまとめました。
育成就労制度の日本語能力要件とは?A1相当の中身と企業がすべき準備 育成就労と技能実習の違い-日本語教育で企業が変えるべきこと
むすびばは外国人材への日本語教育に対応できます
N4合格に加えて、技能実習制度と同様に育成就労でも受け入れ企業が求めていることは、入ってきた外国人材に現場で日本語が通じるかどうかです。 N5に合格していても、朝礼の指示が聞き取れないことがあります。 「わかりました」と答えたのに、実は伝わっていないこともあります。 危ないと感じても、言い出せないまま作業を続けてしまう場面も起きます。
むすびばが目指すのは、点数だけではなく現場で仕事が回る状態です。 少人数・会話中心のオンラインレッスンで、次の3つの力を鍛えます。
- 「持ち上げる前に足元を確認して」と言われて、業務や安全にかかわる指示を聞いてすぐ動ける
- 「午後の作業は資材が届いていないので止まっています」と、報告・連絡が自分の言葉でできる
- 「この手順で合っていますか」と、自分から質問できる
そのうえで、制度の要件とも両立できる体制を整えています。
- 登録日本語教員が在籍しています
- 就労開始前のA1相当・100時間講習に対応できる体制があります
- 福岡での入国後講習に対応しています
- 就労開始後も100時間の日本語教育を継続して行います
- 特定技能移行に向けたN4対策プログラムを実施しており、N5相当からN4合格までの3年間を伴走できます
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よくある質問
Q1. 外国人材への日本語教育は法律上の義務ですか?
日本語教育の推進に関する法律では、事業主が日本語学習の機会の提供や支援を行うよう努めることとされており、努力義務にあたります。 一方、特定技能1号では支援計画の義務的支援10項目に「日本語学習の機会の提供」が含まれるため、こちらは義務です。 2027年4月に始まる育成就労では、費用負担を含めた措置まで求められます。
Q2. 日本語教育の費用は誰が負担しますか?
受け入れ企業が負担する前提で予算化しておくと安全です。 育成就労では、費用負担を含めた日本語能力向上の措置が育成就労実施者(受け入れ企業)や監理支援機関に求められるためです。 1人あたりの講習費用・受験料・教材費を把握しておけば、採用計画と一緒に組み立てられます。
Q3. 社内のOJTだけでは足りませんか?
現場での言い換えや声かけは、社内でしかできない貴重な学習機会です。 ただし体系的な力を積み上げるには専門の指導が要るため、役割を分けるほうが現実的だといえます。 現場のコミュニケーションは社内で、試験に向けた学習は外部のレッスンで、という組み合わせをおすすめします。
Q4. オンラインのレッスンでも現場の日本語は身につきますか?
職場で実際に使う場面を教材にすれば、オンラインでも十分に力がつきます。 むすびばは少人数・会話中心で、その日の現場で使う表現を練習する形をとっています。 録画や進捗の共有ができるぶん、社内担当者の負担はむしろ軽くなります。
Q5. いつから準備を始めるべきですか?
2026年のうちに現状の整理と費用の設計を終えておくと、2027年4月に余裕をもって間に合います。 日本語教育の体制づくりには時間がかかるため、早めの着手がおすすめです。
この記事を書いた会社
むすびば株式会社は、「人と人のいい関係性を築く」を理念に、技能実習生・特定技能などの外国人材(2027年4月からは育成就労)向けのオンライン日本語教室を運営しています。 建設に特化した日本語コースを業界で初めて開設し、介護・製造業などの現場で毎日使う日本語を1コマ60分・1,000円(入会金・教材費無料)の少人数・会話中心レッスンで教えています。 登録日本語教員が在籍し、福岡での入国後講習、就労開始前のA1相当・100時間講習、就労開始後の100時間の日本語教育、特定技能移行に向けたN4対策までを一貫して支援しています。
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日本語教育の体制づくりは、いまの受け入れ状況の整理と予算化から始まります。 このページ下部の「資料ダウンロード」から、むすびばのオンライン日本語教室の資料を無料でダウンロードいただけます。 制度対応をこれから検討される場合は「全職種向けオンライン日本語教室」または「入国後講習」をお選びください。 建設業・介護の方は「建設業向けオンライン日本語教室」「介護士向けオンライン日本語教室」をお選びいただくと、業種に合った内容をご覧いただけます。
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