育成就労と技能実習の違い-日本語教育で企業が変えるべきこと
最終更新日: 2026年7月31日
この記事の結論
- 育成就労制度は2027年4月1日に施行され、就労開始前にA1相当の試験合格または100時間以上の日本語講習が必要になります。
- 技能実習で認められていた良好修了による試験免除は廃止され、特定技能1号への移行には日本語能力試験N4等の合格が必須になります。
- 受入企業には費用負担を含めて日本語講習を受けさせる措置が求められるため、採用スケジュール・予算・3年間の学習計画の3点を見直すことが準備の中心になります。
育成就労制度とは
育成就労制度とは、人手不足分野で外国人材を3年間かけて特定技能1号の水準まで育成し、人材の確保につなげることを目的とした、技能実習に代わる新しい制度です。 2027年4月1日に施行されます。
(出典: 出入国在留管理庁「育成就労制度」)
技能実習制度の目的が技能移転による国際貢献だったのに対し、育成就労制度は人材育成と人材確保を目的として明記しています。 そのため日本語教育の位置づけも、入国後講習を中心とした従来の形に加えて、就労開始前から特定技能移行までの一貫した要件へと広がります。
日本語能力要件そのものの詳細は、こちらの記事で解説しています。
育成就労の日本語能力要件とは?A1相当の中身と企業がすべき準備
育成就労と技能実習の違い
育成就労は、技能実習に代わる制度として2027年4月1日に始まります。 日本語教育の観点で主な変更点は次のとおりです。

いちばん大きな変化は、日本語能力が問われる場面が増えることです。
技能実習では就労開始前の日本語要件がなく、特定技能1号への移行も2号の良好な修了で試験が免除されていました。
育成就労では、入国前にA1相当、特定技能1号への移行時にN4相当と、2回の関門ができます。
(出典: 出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」)

ここからは、日本語教育の観点で特に影響が大きい3つの違いを見ていきます。
① 就労開始前にA1相当の日本語能力が必要になります
育成就労では、就労開始前にA1相当以上の日本語試験に合格するか、認定日本語教育機関の講習を100時間以上受講することが求められます。 技能実習では介護分野を除いて入国時の日本語要件がなかったため、採用から就労開始までのスケジュールに日本語教育の期間を組み込む必要が生まれます。
② 特定技能1号への移行に試験合格が必須になります
技能実習では、技能実習2号を良好に修了すれば特定技能1号への移行時に試験が免除されていました。 育成就労ではこの免除が廃止され、日本語能力A2相当以上の試験(日本語能力試験N4等)と技能試験の合格が必須になります。
3年間の育成期間中に計画的にN4合格まで到達させることが、4年目以降も人材に働き続けてもらうための条件です。 試験に不合格だった場合は最長1年の範囲内で在留継続が認められる可能性がありますが、その期間も学習の継続が前提です。
(出典: 出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」)
③ 本人の意向による転籍が認められます
育成就労では、同一の業務区分内で一定期間(分野ごとに1年から2年)就労することや、A1相当以上の日本語能力を修得していることなどの要件を満たせば、本人の意向による転籍が認められます。
受入企業にとっては、働く環境として選ばれ続けることがこれまで以上に大切になります。 日本語でコミュニケーションが取れる職場は、外国人材にとって安心して働ける職場です。 日本語教育への投資は、制度の要件対応に加えて、定着率を高める施策としての意味を持ちます。
受入企業が変えるべき3つのこと
1. 採用スケジュールに日本語教育の期間を組み込む
就労開始前にA1相当の試験合格または100時間以上の講習が必要になるため、内定から就労開始までの間に日本語教育の時間を確保する必要があります。 誰が・どこで・いつ教えるのかを、送出機関や監理支援機関と早めにすり合わせることが第一歩です。 出入国在留管理庁は講習を提供する日本語教育機関の一覧(2026年6月時点)を公表しており、依頼先の確保は早く動くほど選択肢が広がります。
(出典: 出入国在留管理庁「日本語教育機関の講習提供状況一覧表」)
2. 日本語教育の費用を会社の予算として確保する
育成就労では、費用負担を含めて日本語講習を受けさせるための措置が、育成就労実施者(受入企業)または監理支援機関に求められています。 1人あたりの講習費用・受験料・教材費を原単位として把握し、採用・育成コストの一部として予算化しておくことが現実的な備えです。
(出典: 出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」)
3. 3年間でN4合格までの学習計画を立てる
育成就労では、1年以内にA1相当の試験合格、3年間を通じてA2相当(N4等)の試験合格が、めざす水準として示されています。 N5相当で就労を始めた人材がN4に合格するには、仕事と両立しながらの継続的な学習が必要です。 月に何時間学ぶのか、誰が進捗を確認するのかまで決めた学習計画を、受け入れ開始前に作っておくと確実です。
むすびばは育成就労の日本語教育に対応できます
N4合格に加えて、技能実習制度と同様に育成就労でも受入企業が求めていることは、入ってきた外国人材に現場で日本語が通じるかどうかです。 N5に合格していても、朝礼の指示が聞き取れない。 「わかりました」と答えたのに、実は伝わっていない。 危ないと感じても、言い出せない。 こうした場面を減らすには、試験対策に加えて、実際の場面で話す練習が必要です。
むすびばが目指すのは、点数だけではなく現場で仕事が回る状態です。 少人数・会話中心のオンラインレッスンで、次の3つの力を鍛えます。
- 業務や安全にかかわる指示を聞いて動ける … 「持ち上げる前に足元を確認して」と言われて、その場で行動に移せる
- 報告・連絡・申し送りが自分の言葉でできる … 「Aさん、食事は半分でした。あとで様子を見てください」と次の担当者に伝えられる
- 自分から質問できる … 「すみません、もう一度お願いします」「〇〇はどういう意味ですか?」等を言える習慣と関係をつくる
そのうえで、制度の要件とも両立できる体制を整えています。
- 登録日本語教員が在籍しています
- 就労開始前のA1相当・100時間講習に対応できる体制があります
- 福岡での入国後講習に対応しています
- N4(特定技能移行)に向けたプログラムを実施しており、N5相当からN4合格までの3年間を伴走できます
建設に特化した日本語コースを業界で初めて開設し、介護・製造業でも職場で毎日使う表現から教えています。
よくある質問
Q1. 育成就労制度はいつから始まりますか?
2027年4月1日に施行されます。 それに先立ち、監理支援機関の許可申請は2026年4月15日から始まっており、育成就労計画の認定申請は2026年9月1日から受け付けが始まります。
(出典: 出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」)
Q2. いま働いている技能実習生は育成就労に切り替わりますか?
自動では切り替わりません。 施行日時点で在留している技能実習生は、経過措置により技能実習を継続できます。 なお、国内での技能実習から育成就労への在留資格変更は原則認められておらず、いったん帰国して新たに育成就労の在留資格を取得する経路が基本です。
Q3. 日本語講習の費用は誰が負担しますか?
育成就労実施者(受入企業)または監理支援機関が、費用の負担を含めて日本語能力向上のために必要な措置を行うこととされています。 講習費用・受験料・教材費は、受入企業側の採用・育成コストとして予算化しておくことが前提になります。
Q4. 特定技能1号に移行できなかった場合はどうなりますか?
試験に不合格だった場合、最長1年の範囲内で在留の継続が認められる可能性があります。 この期間に再受験をめざすことになるため、不合格だった場合の学習支援まで含めて計画しておくと安心です。
この記事を書いた会社
むすびば株式会社は、技能実習生・特定技能などの外国人材(2027年4月からは育成就労)向けのオンライン日本語教室を運営する会社です。 「人と人のいい関係性を築く」を理念に、建設に特化した日本語コースを業界で初めて開設し、介護・製造業などの現場で毎日使う日本語を1コマ1,000円(60分・入会金/教材費無料)の少人数・会話中心レッスンで教えています。 登録日本語教員が在籍し、福岡での入国後講習、就労開始前のA1相当・100時間講習、N4合格に向けたプログラムに対応しています。
2027年対応の準備に使える資料をダウンロードできます
育成就労への対応は、採用スケジュールの見直しと日本語教育の予算化から始まります。 2027年対応の準備にも使える資料を、このページ下部の「資料ダウンロード」から無料でダウンロードいただけます。 制度対応をこれから検討される場合は「全職種向けオンライン日本語教室」または「入国後講習」をお選びください。 建設業・介護の方は「建設業向けオンライン日本語教室」「介護士向けオンライン日本語教室」をお選びいただくと、業種に合った内容をご覧いただけます。
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