育成就労の日本語能力要件とは?A1相当の中身と企業がすべき準備
最終更新日: 2026年7月24日
この記事の結論(3行)
- 育成就労では、就労開始前までにA1(JLPT N5)相当の試験合格、またはA1相当の日本語講習(100時間以上が目安)の受講が必要になります。
- 特定技能1号への移行にはA2(N4)相当の試験合格が必要。受け入れ企業には日本語学習を支援する責務が課され、日本語教育は事実上「義務」になります。
- 施行は2027年4月1日。「要件の把握 → 教育計画づくり → 教育リソースの確保」の3ステップで、今から始めれば十分間に合います。
育成就労の日本語能力要件とは
育成就労制度の日本語能力要件とは、2027年4月1日に始まる新しい在留資格「育成就労」で、就労開始前・特定技能への移行時などのタイミングで外国人材に求められる日本語力の基準のことです。
技能実習制度には入国時の日本語要件がありませんでしたが、育成就労では初めて日本語能力が制度上の要件となり、受け入れ企業にも日本語教育を支援する責任が生まれます。
(施行日2027年4月1日/出典: JITCO 育成就労制度)。
日本語能力要件は「入口」と「出口」で課される

入口:就労開始前に求められる日本語力
- 水準 … A1相当以上
- 試験で満たす場合 … JLPT N5、JFT-Basic
- 試験に代わる方法 … A1相当の日本語講習(100時間以上が目安)を受講する
出口:特定技能1号へ移行するときに求められる日本語力
- 水準 … A2相当以上
- 試験で満たす場合 … JLPT N4 等
- 試験に代わる方法 … なし(日本語試験と技能試験の両方に合格する必要があります)
(出典: JITCO 育成就労制度、行政書士による運用要領解説)
ポイントは2つです。入口(就労開始前)は「試験合格」か「講習受講」のどちらかで満たせること。
そして特定技能移行は試験合格そのものが必要なこと。つまり3年間のどこかで、N5からN4へ日本語力を実際に伸ばす教育が欠かせません。
なお、就労開始前の要件を満たすA1(N5)は「ひらがな・カタカナが読め、ゆっくり話されたごく基本的な表現がわかる」段階で、現場の安全指示や申し送りが十分に伝わるレベルではありません。
だからこそ育成就労制度は、入国後も継続して学び、3年でA2(N4)以上へ引き上げることを企業側に求めています。
企業の日本語教育は「義務」になる ― 100時間講習と支援の責務
育成就労で最も大きな変化は、外国人材への日本語教育が企業(受入れ機関)の責任として明確に位置づけられることです。
就労開始前の要件を講習で満たす場合、目安はA1相当・100時間以上の日本語講習です。
ただし「100時間座らせれば良い」のではなく、内容・実施方法・体制を含めた質が問われます。
(出典: 行政書士による運用要領解説)。
実施は原則として認定日本語教育機関が担い、登録日本語教員による講習も経過措置として認められる方向です。
双方向であればオンライン実施も可能とされ、地方の企業でも都市部と同じ質の教育を確保できます。
さらに、特定技能1号への移行にはA2(N4)相当の合格が必要なため、就労開始後も日本語学習の機会を確保する責務が生じます。「入国時に要件を満たしたら終わり」ではなく、3年間の育成計画に日本語教育を組み込むことが前提の制度です。
企業がすべき準備5つ(チェックリスト)
- 受け入れ計画の確認 ― 現在の外国人材の在留資格と、2027年4月以降の受け入れルートを整理する。
- 要件の充足方法を決める ― 入国前は「試験合格」か「講習」か。送出機関・監理支援機関と早めにすり合わせる。
- 3年間の日本語教育計画を描く ― N5相当で入国した人材を、いつまでにN4相当へ引き上げるか。
- 教育リソースを確保する ― 社内OJTだけでN4到達は困難。認定日本語教育機関・オンライン日本語教室など外部リソースの選定を始める。
- 費用を会社側の予算に組み込む ― 講習費用・受験料・教材費は受け入れ企業の負担が前提です。本人へ不当に転嫁することは認められない方向のため、「1人あたり年間いくら」を先に決めて予算化しておきます。
なお、現在の技能実習から育成就労への国内での在留資格変更は原則認められず、いったん帰国して新たに取得する経路が基本とされています。(出典: Linolaパートナーズ法律事務所)
今いる技能実習生の特定技能移行(N4取得)と、2027年以降の新規受け入れ(N5+継続教育)の両方を準備するのが現実的です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 要件を満たせないと受け入れはできませんか?
A. 就労開始前の要件は「A1相当の試験合格」または「相当講習の受講」のいずれかで満たせます。試験に不合格でも、認定された講習を受講すれば要件を満たす道があります。
Q2. 日本語講習の費用は誰が負担しますか?
A. 育成就労に必要な費用を本人へ不当に転嫁することは認められない方向です。基本は受け入れ側の負担と考えて予算化しておくのが安全です。詳細は監理支援機関にご確認ください。
Q3. 社内の日本人スタッフだけで教えるのは無理ですか?
A. あいさつや現場用語は社内でも教えられますが、N5からN4への引き上げには体系的な学習が必要です。社内OJT+外部のオンライン日本語教室の併用が、コストと効果のバランスの良い現実的な選択肢です。
むすびばは育成就労の日本語教育に対応できます
N4合格に加えて、技能実習制度と同様に育成就労での日本語教育において受入企業が求めていることは、入ってきた外国人が現場で日本語が通じるかどうかです。N5に合格していても、朝礼の指示が聞き取れない、指示を受けたのに「わかりました」と答えて実は伝わっていない、危ないと感じても言い出せない——こうしたことは実際に起こります。
むすびばがめざすのは、日本語の点数だけではなく現場で仕事が回る状態です。少人数・会話中心のレッスンで、次の3つを繰り返し練習します。
- 安全にかかわる指示を、聞いて動けるようになる ― 「ここは立入禁止」「先に声をかけて」など、現場で実際に使われる言い方で聞き取りを鍛えます。
- 報告・連絡・申し送りが自分の言葉でできるようになる ― 「終わりました」「残りは○個です」「機械が止まりました」を、その場で言えるところまで持っていきます。
- わからないときに聞き返せるようになる ― 「もう一度お願いします」「これで合っていますか」が言えることは、現場では日本語力そのものより事故を防ぎます。
この「現場で通じる日本語」を、制度の要件と両立させる体制も整っています。
- 登録日本語教員が在籍 ― 制度で想定される有資格者が指導します。
- 就労開始前のA1相当・100時間講習に対応できる体制 ― 入口の要件を、質を伴った講習で満たせます。
- 入国後講習に対応 ― 来日直後のいちばん不安な時期から関われます。
- N4(特定技能移行)に向けたプログラム ― N5相当からN4合格までを見据えた3年間の育成を伴走します。
業種ごとの現場のことばにも踏み込んでいます。建設に特化した日本語コースを業界で初めて開設し、介護・製造の現場でも、教科書の日本語ではなくその職場で毎日使われる表現から教えています。
「自社の場合、就労開始前と就労後をどう組み合わせればいい?」といったご相談から承ります。
この記事を書いた人
むすびば株式会社 ― 外国人材向けオンライン日本語教育の会社です。
「人と人のいい関係性を築く」を理念に、技能実習生・特定技能などの外国人材(2027年4月からは育成就労)と受け入れ企業に、建設(業界初の鉄筋施工特化コースあり)・介護・製造など現場で働く外国人材への少人数・会話中心のレッスンを、1コマ1,000円(60分)・入会金・教材費無料で提供。
登録日本語教員が在籍し、福岡での入国後講習・100時間講習・N4に向けたプログラムにも対応しています。
2027年対応の準備、何から始めますか?
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