技能実習生への日本語の教え方―社内でできる3つの方法と限界
最終更新日: 2026年8月7日
この記事の結論
- 技能実習生・特定技能などの外国人材(2027年4月からは育成就労)への日本語の教え方は、やさしい日本語への言い換え、現場で実物を見せながら教えるOJT、教材・アプリでの自習支援の3つが社内でできる基本の方法です。
- 3つとも今日から始められる一方で、教える人の時間と教え方の知識が必要になるため、社内だけで完結させると続かないことが多い方法でもあります。
- 2027年4月に始まる育成就労制度では、費用負担を含めた日本語教育の措置が受け入れ企業に求められます。社内での教え方と専門レッスンの役割分担を、今から準備しておくと安心です。
技能実習生への日本語の教え方とは、日本語教師の資格がない社内の担当者でも実践できる、外国人材との日本語コミュニケーションの工夫と学習支援の方法を指します。 この記事では、社内でできる3つの方法を具体例つきで紹介し、あわせて「社内だけで教えることの限界」と、2027年からの育成就労制度で企業に求められる準備を解説します。
技能実習生に日本語を教える前に押さえておくこと
技能実習生の多くは、日本語能力試験のN5〜N4程度の学習を終えて入国します。 教科書の日本語は学んでいても、現場のスピードで話される指示や、職場特有の言葉はほとんど聞き取れない状態から始まります。
まず押さえておきたいのは、次の3点です。
- 「わかりました」は、わかったサインとは限りません。 聞き返すことに遠慮があり、わからなくても「はい」と答えてしまうことがよくあります。
- 読み書きより、聞く・話すが先です。 現場で最初に必要なのは、安全に関わる言葉を聞いて動けることです。
- 母語によってつまずく音や表現が違います。 たとえばベトナム人技能実習生では、伸ばす音(長音)や詰まる音(促音)の聞き分けにつまずく例が多くみられます。国籍ごとに「聞き取りにくい言葉」を把握しておくと、教え方の精度が上がります。
社内でできる日本語の教え方 3つの方法

方法1 やさしい日本語に言い換える
教える前に、まず伝える側の日本語を変えるのがいちばん効果の出やすい方法です。 ポイントは「1文を短く」「1文に用件は1つ」「あいまいな言葉を具体的に」の3つです。
伝わりにくい言い方:一旦作業を中断して集合してください
やさしい日本語:仕事を やめます。ここに 来て ください
伝わりにくい言い方:安全帯を着用
やさしい日本語:安全帯(ハーネス)を つけて ください
伝わりにくい言い方:なるはやでお願いします
やさしい日本語:今日の 15時までに して ください
言い換えた表現を職場で統一すると、教える内容がぶれず、実習生の覚えも早くなります。
方法2 現場で実物を見せながら教える(OJT)
言葉だけの説明に加えて、実物・写真・動作をセットにすると、日本語の定着が大きく変わります。
- 工具や書類は、実物を指さしながら名前を言います。
- 作業は「やって見せてから、やってもらう」の順番にします。
- 「止まれ」「危ない」「触るな」など、安全に関わる言葉を最優先で教えます。
- 教えた言葉は、翌日また現場で使って思い出させます。
方法3 教材・アプリで自習を支援する
本人任せの自習は、仕事の疲れもあってほとんど続きません。 会社側が「教材・時間・声かけ」の3つを用意すると、自習は続きやすくなります。
- 教材やアプリは会社が選んで渡します(本人のレベルに合ったもの)。
- 「毎週水曜の終業後30分」のように、学習時間を決めます。
- 続いているかどうかを、月1回の面談や日々の声かけで確認します。
社内で教える方法の限界
3つの方法はどれも効果がありますが、社内だけで完結させようとすると、次の壁に当たります。
- 教える人の時間が取れない。 担当者は本来業務と兼任のことが多く、繁忙期に教える時間が消えてしまいます。
- 教え方には専門性が必要。 相手のレベルに合わせて語彙を選び、文法のつまずきを説明するのは、日本語教育の専門技術です。
- その場しのぎになり、積み上がらない。 現場で必要な言葉を場当たりで教えると、N4・N3といった次の段階につながる体系的な力になりません。
そこでおすすめしたいのが役割分担です。 現場のコミュニケーション(方法1・2)は社内で続け、体系的な日本語力の積み上げは専門のレッスンと分担する形が、担当者の負担と教育効果のバランスをとりやすい方法です。
2027年の育成就労制度では日本語教育が企業に求められます
技能実習制度に代わる育成就労制度が、2027年4月1日に始まります。 日本語教育の位置づけが大きく変わり、受け入れ企業の準備が必要になります。
- 就労開始前に、日本語能力A1相当以上の試験合格、または認定日本語教育機関によるA1相当講習の100時間以上の受講が必要になります。
- 特定技能1号への移行には、日本語能力試験N4等の合格が必要です。
- 費用負担を含めた日本語能力向上の措置は、育成就労実施者(受け入れ企業)や監理支援機関に求められます。日本語教育は、受け入れ企業が予算化して計画する項目になります。
(出典: 出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」)
要件の詳しい中身と準備の手順は、育成就労の日本語能力要件とは?A1相当の中身と企業がすべき準備で解説しています。
むすびばは外国人材への日本語教育に対応できます
N4合格に加えて、技能実習制度と同様に育成就労でも受け入れ企業が求めていることは、入ってきた外国人材に現場で日本語が通じるかどうかです。 N5に合格していても、朝礼の指示が聞き取れない。 「わかりました」と答えたのに、実は伝わっていない。 危ないと感じても、言い出せない。 社内で日本語を教えようとする企業の悩みは、ほとんどがこの3つに集まります。
むすびばのオンライン日本語教室がめざすのは、試験の点数だけではなく、現場で仕事が回る状態です。 少人数・会話中心のレッスンで、次の3つを軸に練習します。
- 「工具を置いて、こっちに来てください」など、安全に関わる指示を聞いてすぐ動ける
- 「午前の作業、終わりました。次は何をしますか」と、報告・連絡が自分の言葉でできる
- わからないとき、「すみません、もう一度お願いします」と聞き返せる
そのうえで、制度の要件とも両立できる体制を整えています。
- 登録日本語教員が在籍しています
- 育成就労で必要になる就労開始前のA1相当・100時間講習に対応できる体制があります
- 福岡での入国後講習に対応しています
- 特定技能移行に向けたN4対策プログラムがあり、N5相当からN4合格までの3年間を伴走できます
また、建設に特化した日本語コースを業界で初めて開設しました。 介護・製造の現場でも、職場で毎日使う表現からレッスンを組み立てます。 料金は1コマ60分・1,000円、入会金・教材費は無料です。
よくある質問
Q1. 日本語がほとんど話せない技能実習生には、まず何から教えればよいですか?
文字の読み書きより先に、毎日使う話し言葉から始めてください。 最優先は「止まれ」「危ない」など安全に関わる言葉を聞いて動けることと、「わかりません」「もう一度お願いします」を本人が言えるようになることです。
Q2. 日本語教育の費用は誰が負担しますか?
受け入れ企業が負担する前提で予算化することをおすすめします。 育成就労制度では、費用負担を含めた日本語能力向上の措置が育成就労実施者(受け入れ企業)や監理支援機関に求められます。
(出典: 出入国在留管理庁「育成就労制度Q&A」)
Q3. 教える時間がどうしても取れない場合は?
現場での言い換えと声かけ(方法1・2)は社内で続け、体系的な学習は外部レッスンと分担する方法があります。 むすびばのオンライン日本語教室は1コマ60分・1,000円の少人数・会話中心レッスンで、社内の教育担当者を置けない企業でも始めやすい形にしています。
Q4. 2027年の育成就労制度で、日本語の教え方はどう変わりますか?
就労開始前にA1相当の試験合格または100時間以上の講習、特定技能1号への移行にN4等の合格が必要になります。 社内のOJTに加えて、計画的な日本語教育の体制づくりが受け入れ企業に求められます。
むすびば株式会社は、「人と人のいい関係性を築く」を理念に、技能実習生・特定技能などの外国人材(2027年4月からは育成就労)向けのオンライン日本語教育を提供しています。 建設に特化した日本語コースを業界で初めて開設し、介護・製造など現場で働く外国人材に少人数・会話中心のレッスン(1コマ60分・1,000円、入会金・教材費無料)を行っています。 登録日本語教員が在籍し、福岡での入国後講習、育成就労のA1相当・100時間講習、特定技能移行に向けたN4対策までを一貫して支援しています。
2週間の無料体験を行っておりますので、お気軽にお問い合わせいただけますと幸いです。
資料ダウンロード
プログラムの特長や、カリキュラムの内容が記載されたパンフレットを無料でダウンロードいただけます。



