鉄筋施工現場で働く技能実習生が日本語教育を受講して仕事が上達し安全に働けるようになりました

#オンライン日本語教室

株式会社小黒組は鉄筋工事を手掛ける企業で、工場と建設現場の両方で技能実習生が活躍しています。
本記事では、同社が「むすびば」の日本語教育サービスを導入したことで、職場にどのような変化が生まれたのかを伺いました。


基本情報
会社名:株式会社小黒組
受講人数:10名
国籍:ベトナム・インドネシア
職種:鉄筋工事一式


――小黒組はどのような事業を行っていますか?

鉄筋工事全般を手掛けており、工場での製品作成から現場での組み立て、鋼材・副資材販売まで一貫して対応しています。施工エリアは首都圏・関東全域にわたり、年間約100現場以上を施工。協力会社25年8月現在で、約81社に及びます。

――小黒組さんでの外国人の受け入れ状況を教えてください。

初めての外国人採用は12~13年前、中国人の受け入れから始まりました。技能実習生については7~8年前から受け入れを開始しています。10年以上勤務している社員は、日本人同様に活躍しており、現在では大きな戦力となっています。

小黒組本社では建設現場に4名、工場に16名の技能実習生が在籍しています。工場では特定技能2号が3名在籍し年内から年明けにかけて、更に2名が申請 特定技能2号となる現状にあります、無期限での就労が可能になりました。先に見据える形は様々ですが、帰化する事を望む人材もいる為、会社として支援する姿勢でいます。

全体では協力会社を含め約650名が働いており、そのうち約220名が7か国出身の技能実習生です。4~5年前は外国人が全体の4分の1でしたが、現在は3分の1まで増加しています。小規模な企業では技能実習生が半数以上を占めるケースもあり、業界全体で人手不足が深刻化する中、外国人社員は欠かせない存在となっています。

鉄筋施工現場で起こっている技能実習生の職場での課題

――たくさんの外国人技能実習生の受け入れをされるなかで、課題はありましたか?

受け入れ当初も現在も同様に日本語が未熟で、安全作業への理解が十分でないことから危険につながるケースがあります。
建設現場では、2人1組で作業することが多く、例えば長い資材を運ぶ際に掛け声が理解できず、一人で持ち上げてしまい、ほかの人に資材をぶつけてしまうことがありました。 また、鉄筋加工工場では、資材の切断作業で手の位置を誤り、大事故につながりかねない場面もありました。

安全のために注意をしても、技能実習生が大きく傷ついてしまう場合があります。過去には、安全作業ができていないことで叱責を受け、自信を失った外国人社員もいました。

さらに、長さに関する単位の理解不足も課題です。業界では「1m=1,000mm」と表現しますが、この単位を理解できない技能実習生も多く、作業進行に影響が出ることがあります。

――むすびばの日本語教育を導入したきっかけは何ですか?

技能実習生を指導する中で、自信を失ってしまうケースや、日本語が得意な技能実習生にそうでない技能実習生への情報伝達を任せることで負担が生じることがあり、2023年末から導入を検討しました。

また、休日の過ごし方を尋ねたところ、多くが母国人コミュニティで過ごしており、仕事以外で日本語を使う機会が少ないことも分かりました。そこで、会社として学習環境を整えたいと考え、日本語教育を取り入れることを決めました。

他社サービスも調べましたが、週末(日曜日)の授業が多く、当社では週末はリフレッシュの時間に充ててほしいと考えていたため見送りました。むすびばは平日就業後にオンラインで受講できる点や、毎回の授業の様子を動画で確認できる点が決め手となりました。

もし自分たちが外国で働く立場なら「語学を学べる場がある方が良い」と考えています。今後も外国人社員が日本語を学べる環境を整え、できる限り支援を続けていきたいと思っています。

日本語教育を通じて始まる、日本人社員と技能実習生のコミュニケーション

――むすびばでの日本語教育を導入して、技能実習生に変化はありましたか?

弊社では2023年からむすびばの日本語教育を利用しています。それ以前の技能実習生と比べると、コミュニケーション力が大きく向上している様な印象を受けます。個々性格もあるので様々ですが、授業で習った言葉を翌日から使い始めたり、仕事で分からないことを積極的に質問するようになりました。その結果、仕事を覚えるスピードも導入前に比べて格段に速くなりました。

以前は、働き始めたばかりの技能実習生が危険な作業を危険だと理解せずに取り組んでしまうこともありました。しかし現在では、安全な作業を理解しながら取り組めるよう前進しています。数字の読み方や声掛けなど、これまで通じなかった表現も少しずつ理解できるようになりました。導入後の労働災害リスクは軽減していると感じています。

さらに、日本語力の向上だけでなく、心の変化もある様に感じます。授業の動画で進捗を確認できたり、「先生が褒めていたよ」と声をかけたりすることで、技能実習生の自信や会話のきっかけにつながっています。
授業中に実習生が話した悩みを日本語教師が会社に共有してくれるため、企業側も技能実習生の状況を理解でき、技能実習生にとっても相談の場ができました。これは大きな成果だと感じています

技能実習生からも「受講できてよかった」という声があり、表情も明るく生き生きしています。中には、日本人社員から教わったお笑い芸人のツッコミを披露して場を和ませるなど、ムードメーカー的存在もいます。また、授業を通じて同じ境遇の他職の方達とも交流でき、彼らにとって良いリフレッシュの時間になっているようです。

導入前は叱責を受けて自信を失う技能実習生もいましたが、今では日本人社員と冗談を言い合える関係ができました。そのため、叱られても自信を失わずに働けています。会話が増えて笑顔のある職場になり、技能実習生にとっても働きやすい環境が整ってきたと実感しています。

――技能実習生受け入れにおいて、小黒組が大切にしている考え方は?

異なる文化を持つ人材が働く中で、日本人と同じ接し方では伝わらないことや傷つけてしまうことがあります。そのため、相手に配慮した対応 「何々だろう!」と決めつけではなく、「~かもしれない」と心掛けています。

仕事への取り組み方も母国の習慣や性格によって差があり、それぞれに向き不向きがあります。適性に応じた配置を心掛け、「日本の技術を持ち帰りたい」と考える向上心ある人材には積極的に学びの場の設け、重要な戦力となるべく邁進しております。

また、日本語力の向上だけでなく、コミュニケーションを通じた笑いのある関係性が大切だと考えています。技能実習生に声をかける際には母国語で挨拶を交えるなど、年に数回 当社協力業者の皆さんの協力の元、技能実習生主体のレクリエーション活動も実施し距離を縮め共にリフレッシュする時間も設けています。

人手不足の中、技能実習生は不可欠な存在であり、単なる労働力ではありません。安心して働ける環境を整え、自信を持って活躍できるよう支援していくことを重視しています。長く働く中で日本人と同等、あるいはそれ以上に活躍する人もいるため、今後も日本語支援を続けていきたいと考えています。

株式会社 小黒組

日高様

建設

株式会社小黒組は、鉄筋工事を中心とした建設関連業務を手がける企業で、工場での鉄筋加工と建設現場での鉄筋施工の両方を行っています。

  • 外国人労働者向けオンライン日本語教育パンフレット_むすびば株式会社
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  • 技能実習生向け入国後講習パンフレット_むすびば株式会社

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