長い付き合いをしていくために信頼関係を築く

関わる人それぞれがよかったと思える技能実習を実現する

− まずは、むすびばの入国後講習をご利用いただいた理由から伺わせてください。

入国後講習は1ヶ月間必ず受けなければならない講習で、日本語を伸ばすカリキュラムが充実していることが重要だと考えています。実習をする上で最も必要となるものが、日本語であるからです。むすびばとは、オンライン日本語教育を利用していた時から付き合いがありました。配属後に技能実習生と受け入れ企業がより良い関係を築くには何が必要か?といったことを考えて活動されていることが印象的で、その点が組合の考え方と一致していることが大きな理由です。

− 組合の考え方というのは、具体的にはどういったものでしょうか?

実習期間は、受け入れ企業と技能実習生はもちろん、組合自身も含めそれぞれが、それぞれの成長に繋がったと言える機会にしていきたいと思っています。もちろん企業は働き手が足りないといった理由で受け入れることが多いですが、技能実習生は実習をするという目的で入国をしていますから、その趣旨をよく理解された上で適切な実習が行えるようにサポートしていかなければなりません。それは、慣れない日本で生活するという点で生活面でのサポートについても同様です。

先にも触れましたが、日本語が話せるかどうかは特に重要で、N1,N2レベルの日本語力までは必要ありませんが、日本人の話していることを理解して、自分が言いたいことを伝えられる程度の会話力を身につけられれば、充実した実習期間を送ることができると考えています。逆に会話がスムーズに行えなければ、実習面においても、ひいては初歩的な人間関係を築くことも難しくなってしまうことがあります。受け入れ企業側も、実習生側も、双方が誤解のないようなコミュニケーションがとれる事がとても大切です。むすびばの入国後講習は、日本語の会話力を重視している点が私どもと共通する部分でした。

技能実習生同士の人間関係が日本語で話すことを通じて作られていた

− 配属日、入国後講習を終えた技能実習生たちと日本語で話してみてどうでしたか?

インド3人と比べてカンボジアの6人はシャイですが、ジェスチャーも交えながら互いに日本語でコミュニケーションを取っているのを見て、1ヶ月間の成果を感じました。日本語が話せないと母国語が話せる同士で固まってしまうことはよくありますが、国籍の異なる9人の人間関係が築けていたのも、日本語で会話するむすびばの講習だからできていたように思います。

市役所に転入の手続きに行ったり会社のオリエンテーションを実施している時も、日本語で話していることを理解して分からないことを質問したりしていました。企業の担当の方も日本語のレベルが高いことに驚いていました。

帰国後も続いていく技能実習生との信頼関係

− 関わる人それぞれがよかったと思う機会にするために、むすびばでは日本語が話せるようになることを特に重視しています。他にはどういったことが必要でしょうか?

信頼関係を築くことが大事です。技能実習生も前向きに働くようになりますし、受け入れ企業側の姿勢も変わっていきます。

受け入れをし始めた頃、山形県の企業でベトナムの技能実習生が働くお手伝いをしたことがありました。山形の人たちは最初は無愛想なところがあったみたいですが、打ち解けると仲良くなってよく飲みに行ったりご飯を食べに行ったりしていました。帰国時は工場長含めみんなで惜しんで見送りましたが、数年後にベトナム法人を作ってエンジニアとして当時受け入れていた技能実習生を採用したと聞いています。関わる人と企業それぞれがよかったと思うことができれば、この時のように日本での実習期間だけでなく、帰国後も含めていい形で技能実習を運営していけると思っています。

むすびばでも、講習期間中に講習センターのスタッフと技能実習生で海に遊びに行く機会を作るなど、良い信頼関係を築くための時間を過ごしているように感じました。配属後も連絡を取っていたり、技能実習生から相談があったことも聞いています。技能実習生にとって、企業や監理団体以外にも相談できる相手がいるのはいいことですし、むすびばがそういった関係性を築いているのはすごくありがたいことです。これからも信頼関係を築きながら、関わる人それぞれがよかったと思える受け入れを一緒に実現していきたいと思います。

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