ヘレン・ケラーとサリバン先生から学ぶ言語教育

コラム

サリバン先生がヘレンケラーに対してどう教育したかに日本語教育のヒントが詰まっているのではないか。そう思い、サリバン先生についてこちらの本を参考にしながら勉強してみました。

結論から言うと、サリバン先生の教育方法は言語教育に携わっている方々にとって大きな参考になります。

ヘレンケラーは、見えない・聞こえない・話せない中でどう言語を取得していったのか。

元々、ヘレンケラーは全ての物や行為に名前があることを理解していませんでした。そのため、彼女の思い通りにいかないことがある時や、納得できないことが起こった時は、泣き叫んだり物を投げることでしか表現することができませんでした。

しかしながら、ある瞬間をきっかけに一気に言葉を覚えて使えるようになりました。

今朝、顔を洗っている時、彼女は「water」という名称を知りたがりました。彼女はものの名前を知りたい時、知りたいものを指差し、そして私の手を叩きます。

「water」の名称を教えるため井戸小屋に行って、私が水を汲み上げている間、ヘレンには水の出口の下にコップを持たせておきました。冷たい水がコップを満たした時、ヘレンの自由な方の手に「w-a-t-e-r」と綴りました。
その単語が、たまたま彼女の手に勢いよくかかる冷たい水の感覚にとてもぴったりしたことが彼女をびっくりさせたようでした。
彼女はコップを落とし、釘付けされた人のように立ち竦みました。

ヘレン・ケラーはどう教育されたかーサリバン先生の記録ー

その瞬間、ヘレンに明るい表情が浮かびました。彼女は何度も、「water」と綴りました。それから地面にしゃがみ込みその名前を尋ね、ポンプやぶどう棚を指差し、手に触れるものを全て覚えてしまいました。そして突然振り返って私の名前を尋ねたのです。私は「teacher」と綴りました。
家に戻る道すがら彼女はとてもひどく興奮していて、数時間で30もの新しい単語を付け加えることになりました。

ヘレン・ケラーはどう教育されたかーサリバン先生の記録ー

ここに私は、言語を覚える上で一番大切なポイントがあると思っています。
それは、学習者が知りたいことを教えてあげることです。

これ以降のヘレンケラーは母犬と子犬の違いも理解して説明できるし、寝ると寝ないも表現できるようになっていきました。

サリバン先生の素晴らしいポイントはいくつもありますが、日本語教育を行う上で学べることが2つありました。

1つ目は、ひとりひとりの好奇心に沿った教育を行うこと。一般的な学校教育のやり方でヘレンケラーに教えていたら、学ぶことが楽しめず言語の習得を諦めていたかもしれません。サリバン先生は、ヘレンケラーの好奇心に合わせて学べるようにしたことで、こんなにも難しいことを実現できたと思います。

技能実習生に日本語を教えていると、「怠け者」や「叩きます」のような単語は1回で覚えてしまいます。それは友達に対して冗談としてすぐ「あなたは怠け者ですね」や「〇〇さんが叩きました」使いたくなるからです。

どんな人も、何かを伝えたい、話したい欲求を持っているのでその好奇心を満たせる授業内容をすることが、言葉を覚えて話せるようになると思います。教科書を順番通りに使っていくのではなく、学習者の好きなことを話すなどの雑談を通して学んでいくことが、実は一番早く上達していくのではないでしょうか。

2つ目は、サリバン先生が諦めなかったこと。ヘレンが言語を覚えることはできない、勉強することはできないと諦めた方が絶対に楽だったと思います。それでも、ヘレンと向き合い続け、教え方を改善しながらヘレンにあった教育を探し続けました。

人はそれぞれ得意なことは違います。覚えることが苦手だったり、聞くことが苦手だったり、そもそも勉強が好きじゃない人もいますが、異国で暮らすために言語は必要不可欠です。
教えることを諦めるのではなく、その人に合った勉強方法はどうすればいいか考え続けることが教師には求められると思っています。

さらにサリバン先生は、ヘレンの勉強意欲が続くようにさまざまな工夫をしていました。ヘレンの友達に、ヘレンと話す時は彼女を勇気づけるよう伝えていたり、ヘレンの些細な進歩にできるだけ好奇心や喜びを示すように伝えていました。他人に褒められることで満足して意欲を長続きできることをサリバン先生は理解していました。

詳しく知りたいと思ってくださった方には、ヘレンケラーとサリバン先生のコテンラジオもとてもおすすめです。

言語を勉強する目的は、自らの考えを伝えられるようになることです。
だからこそ、言語教育では考えを伝えられ、考えを理解できるようになることの手助けを教師は行っていくべきだと再認識できました。

日本語教師の方にはぜひサリバン先生の考え方を知ってもらいたいです。

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